2020年10月16日金曜日

世界5大医学雑誌Lancet:「世界の疾病負荷研究」の報告書を発表【No.250】

 今日の気になる医療ニュースです!


【世界5大医学雑誌Lancet:「世界の疾病負荷研究」の報告書を発表】

*紹介*
米国ワシントン大学保健指標・保健評価研究所(IHME)を中心に、
152の国や地域の大学、研究所、政府機関が参加する共同研究「世界の疾病負荷研究」では、
COVID-19の重症化や拡大に影響を与える公衆衛生や慢性疾患の状況を世界的に調査し、
その研究成果を取りまとめ、学術論文として、10月16日発行の世界5大医学雑誌Lancetに掲載されるというニュース記事です。

*抜粋*
  • 世界でも類を見ない包括的な枠組みとして、204の国や地域にて、286の死因、369の疾病や傷害と87のリスク要因を分析する世界的研究を実施。2019年の状況を明らかにし、COVID-19が重症化しやすい基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患など)への備えが十分であったかを調査した。
  • その結果、慢性疾患が世界的に蔓延していること、さらには、予防可能なリスク要因を抑制すべき公衆衛生が機能していないことが原因で、COVID-19のような急激な衛生緊急事態に対して脆弱な状況が続いていることが明らかになった。
  • このことは、慢性疾患、社会的不平等とCOVID-19が重なって起きている世界的シンデミック(貧困のような社会的要因と様々な伝染病の相乗的な作用)に緊急に取り組むこと、それにより、より盤石な公衆衛生システムを確立しつつ、人々の健康を向上させることが必要であることを示している。これを実現できれば、世界各国が将来のパンデミックの脅威に対してより弾力的に対処できるようになる。

*感想*
COVID-19の重症化への影響因子が書かれているのかと思いましたが、違いましたね。
COVID-19においては、肥満、糖尿病や循環器疾患など、本研究の対象となるリスク要因と非感染性疾患(NCD)の多くが、重症化リスクと死亡リスクの上昇に関係することがわかっています。そのため、慢性疾患、社会的不平等とCOVID-19が重なって起きているシンデミックに対処する緊急対策を行う必要があることを強調します。

以上です。

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